先日、文章が気になってしまい集中して読めなかった本について書きましたが、その続きです。
今回の本を読んでいてすぐに思い出したのが、ずいぶん前に読んだ村上春樹の『アンダーグラウンド』。
これは地下鉄サリン事件で被害にあわれた方へのインタビューをまとめた本です。
こちらもインタビュイーとしていろいろな方が登場するのですが、見事におちついた文章のトーンで最後までまとめられています。
だから内容にきちんと気持ちが向くのです。
この本を読んだときはあまり考えなかったのですが、ちゃんと話し言葉をもとに書かれ、話し手の人となりが伝わるような語り口であるのに、きちんと読みやすいように書かれています。
つまり余計な要素が、文章の流れの邪魔をしていないのです。
こういう文章を書くことは、実は簡単にできることではないのですね。
読み手に伝えたいことがストレートに伝わるような、余計な要素の無い文章を書くには実はとても技術が必要なことなのだと、改めて思いました。
ついつい文章が長くなる自分を反省。
文章を書くということは、とてもむずかしいことですね。