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足尾銅山と原発と

以前、足尾銅山についてちょっと書きました。


最近の福島第一原発の事故の様子を見ていると、現在の状況が足尾銅山鉱毒事件と重なって見えてくるのです。


足尾銅山による公害は、渡良瀬川に流された鉱毒だけではありません。
精錬による排煙に含まれる亜硫酸ガスによる、植物の枯死、住民の健康被害や、鉱山で燃料や建材にするための木材を得るための広範囲における森林の伐採などなど。

亜硫酸ガスの影響を受けた上流の村は廃村になり、渡良瀬川の下流では漁業も農業も大きな被害を受けました。

なお、政府は企業側に公害対策を講じるように命令を出し、古河側も莫大な費用を投じて、脱硫塔や浄水設備などを作っています。しかし、効果はそれほどでないまま、操業は続けられていきます。
「対策を行ったという事実」は残りましたが、被害を受けた人々は救われないまま。

そして、遊水地化するために廃村とされた谷中村では、抵抗して残った住民が自分たちの田畑を守るために作った堤防は行政により破壊されます。
破壊されただけではなく、その費用まで請求されたというから驚きます。
そして、最終的には住居まで目の前で破壊されていきます。

国家の利益を生みだす東洋一の銅山を運営し続けるためには、田舎の農民などどうでもよかったのでしょう。
谷中村が遊水地になったのも、渡良瀬川が、首都を流れる利根川に流れ込む手前で、鉱毒を沈めようという意思も働いていたようです。

こんなことを去年からずっといろいろ本を読んだりして考えていたのですが、最近になって、これは、原発に対する対応と同じなのではないか?という気もちになってきました。

だって、あまりにも国は個々人をないがしろにしすぎです。
人の暮らしを、命を支えている農業も、漁業も成り立たず、一体何をすればいいのか。
そして、その範囲は広がっていく。


谷中村の住民を暴力的に追い出した明治政府をひどいと思っていましたが、今の政府だって、一体何が違うというのでしょう。

福島第一原発で働く人々を守ることさえできない。
ほかの原発で働く人々だって、以前から放射線被ばくによる健康被害を受けています。
ただ、いつだって因果関係が明らかにならなければ被害は表に出てきません。


政府が守るべきなのは、一部の巨大な利権ではありません。

この国をかたちづくり、
支えている、
ひとりひとりのかけがえのない国民です。


私たち自身も、自分にとっては大切な家族や友人たち、自分自身が、ないがしろにされていることに気付かなくてはならないと思うのです。
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by ts-kabakichi | 2011-04-05 22:50 | 思うこと