先週、テレビを見ていたら心ひかれる山の風景が出ていました。
どこだろう、と思ったら中央アルプスの千畳敷カールでした。
おお、カール!
ええと、小学生のころに図鑑にはまっておりまして、確か「地球」の図鑑に出ていた、地形のでき方のところが大好きでした。
カールとか、V字谷とかU字谷とか、扇状地とか、カルスト地形とか鍾乳洞とかドリーネとか。
水や氷の浸食でいろいろな地形が作られるって、わくわくしたのでした。
その、氷河に削られてできたカールなのね、と今さら気付いた私。
(いや、思い返せばほかのところにもちゃんと行ったことあるんですが。)
ということで、この週末に千畳敷に行ってきました。
紅葉が始まるころには連休もあるし、高速道路も何もかも混むだろうし、夏休みがおわったばかりの今の時期がまだすいているかな、と。
火曜日に千畳敷の日本一高いところにある「ホテル千畳敷」にだめでもともと、と電話したらなんと空室あり。
週末の予報は曇りでしたが、まあ高い山だから曇るの覚悟で、と行ってみることにしました。
ところが意外にも、前日あたりから天気予報も好転。私が前夜に書いた天気図を見た父ちゃんも「おだやかな感じがするねえ」と言ったとおり、当日はいいお天気に。
途中、南アルプスの山並みもくっきりと望むことが出来ました。
諏訪湖からは富士山も見えました。
そして駒ヶ根到着。
車を山の下の駐車場に止め、バスでロープウェー乗り場に向かいます。
一般車は通行止めなのですが、すれ違いも難しい細い山道。そこをバスは素晴らしい運転で上っていきます。バスの運転手さん、すごいです。
バスの終点のしらび平というところからロープウェーに乗り、ものすごい急傾斜を上っていきます。
ロープウェーの周りは切り立った尾根や谷で滝もあちこちに流れ落ちています。
そして降りたところが千畳敷。
高度2600メートルという高山です。
北海道の最高峰である旭岳の山頂が2291メートルですから、その高さにびっくり。
心なしか空気も薄く感じます。
到着が11時ころだったので、まずは荷物を預け、ホテルのレストランで昼食。
その後チェックインまでの間にカールの中の遊歩道を散策しようと出かけました。
遊歩道といっても結構アップダウンもあるので、チビは私がおんぶ。
荷物は兄ちゃんが。
さて、カール内の散策だけのつもりだったのですが、時間も十分あったし、上の写真の正面左よりにある登山道の上の乗越浄土というところまで登ってみたくなりました。
かなり急だし、まあ無理だったら引き返そうね、と登り始めました。
ところが気のせいじゃなくて、本当に空気が薄いと感じたのは上り始めてから。
異常に息の上がるのも心拍の上がるのも早いし、くらくらしてきました。で、チビをおんぶしていたのですが、途中でさすがにきつくなり父ちゃんと交代。
重たいリュック背負って登る人ってすごいなあ。
兄ちゃんと父ちゃんはさっさと上っていってしまったのですが、私はへこたれそうになるムスメと一緒にゆっくりのぼりました。
かなり急坂なのが分かりますか?
ムスメ、「もうだめ~」と言うので、「無理しなくていいよ。途中でやめてもいいんだよ。」と言っていたのですが(私もやめようと思った)、下りてくるほかの方たちに、
「もう半分は来ているよ、がんばってね。」
「小さいのにえらいね。」
「もう少しだよ。」
と勇気づけられて、何とか登りきったのでありました。
上に着くと、父ちゃんの背中から降りたチビも走り回って遊んでおりました。
下から見るのとは違って結構広い尾根でした。
なぜか山の上に埋まっているファンタのビンを掘り起こすのに熱中する子供たち…。
なお、あまり子どもって登ってなくて、チビを見てびっくりした人も多かったです。
おんぶしてきたと言ったら納得されていましたが。
なお、この地点は2800メートルくらい。
高いし、尾根なので風もあって、汗だくで登ってきたのにあっという間に体温が下がって寒くなります。
防寒着だけは全員分ちゃんと持ってきていたので、よかったです。
山の上でおやつ食べてから、下ります。
登るときは余裕もなくてあまり写真を撮っていませんでしたが、こんな坂でありました。
ひえ~。
いやいや、それにしてもよく頑張りました。
チビを背負って登るなんていうのも無謀な親だよねえ、と父ちゃんとも反省。
しかもみんな底は厚めのだけれど、普通の運動靴だったし。
せめて大人だけでも登山靴で行くべきだったと後から思いましたが、
そこに山があったから、登ってしまったのでありました…。
反省。
なお、すれ違った中には裸足にサンダル履きなんていう人もいました…。
足がぼろぼろにならなかったんだろうか。
それから、ロープウェイの駅あたりで一緒だったのですが、3歳くらいの小さい子と、小学校低学年くらいの子供を連れた家族がいて、途中寝てしまった下の子を抱えて登りの途中に休憩しているのに出会いました。父ちゃんが先にすれ違った時には、寝ちゃった子を抱っこして登っていたらしいです。
チビも私の背中で急に寝ちゃったりしたので、気圧の低さに耐えられなくて小さな子は寝ちゃうのかもしれないなあと思いました。
今度は無理のない範囲で山に遊びに行きましょう。。
でも、登ってみると本当に爽快でした。
おりてからも、あそこまで行ったんだねえ、とうれしいし。
山は楽しいです。