私が住んでいるマンションの屋上に、携帯電話の基地局のアンテナが建つことになったと、業者が挨拶に来た。
2ヶ月ほど前のことだ。
そして先週くらいになってから、また工事日程などのお知らせの手紙を持って業者がやってきた。
ふーん、そうなのかと思って大して気にしていなかった。
そうしたら、昨日、4階に住む友達が、反対運動の署名を集めたいと言ってやって来た。
よくよく話を聞けば、アンテナの高さは6メートル。
西端にアンテナをたて、最上階の4階の東端の1室をつぶして機械室にするらしい。
友人の家はその隣。
送風ファンを24時間回し続けるので、防音壁を設置して音対策はします、というが、法令で守られている騒音レベルは無音ではない。
法令レベル以下の音であっても一日中絶え間なく聞こえてきたのではたまらない。
壁一枚隔てた隣に何だかわけのわからないものが来るのは嫌だし、電磁波による健康問題などで各地で工事中止や撤去の係争が起こっているらしい。
とにかく、問題点が明らかにされないまま工事が始まるのは嫌だし、住居専用と説明されて入居したマンションの隣の部屋が住居以外のものになってしまうのも問題だ。
携帯電話は私も使っているし、公共性については理解している。
自分の頭の上だけは嫌だというわけにも行かないのかなあとは思う。
しかし、私が一番問題だと思ったのは、マンションの管理者と工事者がきちんと住民に対して説明をしていないということだ。
アンテナが建つことは私も聞いたが、住居であった1室を機械室にすることは一言も聞いていない。
「基地局アンテナ」が建つので、工事で音が出る、迷惑をかけるので申し訳ありませんと言う程度。
具体的な内容の話はなかった。
2回目の説明のときに工程表と図面を持ってきたので、それを注意深く読めばどんな工事かはある程度予測が付くが、素人にどれだけ分かると言うのだろう。
それから、電話会社の委託を受けた施工業者は挨拶に来たが、管理会社と大家からは文書連絡のひとつもない。
おまけに、周りの一般住宅や分譲マンションにも工事についての連絡はしていないようだ。
私たちの住んでいるのは賃貸マンションだから管理組合も無い。
すぐに何か相談できる管理人がいるわけでもない。
住んで5年になるが、都内に住んでいるという大家さんの顔を見たことも無い。
(しかし、最近入居した人は、入居する家族全員の顔がうつった写真を提出するように契約時に言われたそうだ。)
文句言われないように、さっさと簡単な説明だけして、工事してしまおうという魂胆だったのだなあ、とうっかりしていた私も思い当たって、それには腹が立った。
それが向こうの戦法だったのだろうけれど。
もっとちゃんと色々なことに気をつけなくちゃならない。